聖地の賑わい

チベットの中心であるラサにて。 バルコルと呼ばれる路地を歩いていると、時折、巡礼者を踏みそうになる。 寝転んでいるのは「五体投地」。立った状態から手を上にして合掌、喉あたりで合掌、胸元で合掌、スライディングのようにズザーっと滑り込み寝転んで…

峠にて

真冬、チベットの峠にて。 車で越えるような峠ではなく、歩いて越える峠。 ヤクっぽいのが堅い藪をかじっていた。 積み石の上にいくつも掛けてある白い布は「カタ」。祝福したり、敬意を表すために使われる。カタのほかに小さな経文もくくりつけてあったが、…

美しい、いつも

その時、私とその男性はとりとめのない話をしていて、 彼はもうすぐ生まれ故郷の北海道に帰って生活するとのことだった。 話題が移り変わる中で、彼は自分の先祖が住んでいた土地のことを話してくれた。 「そうだな、その土地の名前はつまり『美しい、いつも…